星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】
*
唯香、
電話に出ないなんて
どうかした?
Ansyal、
ちゃんと申し込んだ?
8月のFC旅行、
受け付け始まってるよ。
私は、
ばっちり申し込んだから。
同室者は、唯香の名前記載したから
そのつもりで宜しく。
百花
*
一向に電話に出る気配のない唯香へ
報告メールを作成して送信ボタンを押す。
送信完了。
ねぇ、唯香どうして電話に出ないの?
未だ繋がらない電話を
待ちながら夜は流れていく。
夜明けを目指して動き続ける
その時間は止まることはない。
*
「♪~」
聞き慣れた着うたが流れて
慌てて、目を開ける。
あれ?
いつしか昨夜、自宅に辿り着いたらしい私は
自室のベッドで目覚めた。
メール。
発信者は……唯香。
唯香っ!!
ガバっと慌てて体を起こして
ベッドから飛び起きるとズキンっと、
二日酔いが頭にひびく。
あぁ……
飲み過ぎたかも……。
なんて脳内であってないような反省をしながら
指先は携帯のボタンを動かしていく。
*
ごめん、百花。
なんか、倒れて病院にいた。
今日、申し込んどく。
唯香
*
とっても短いメールが
唯香と連絡がとれなかった
時間の事を伝えてくれた。