幸せにする刺客、幸せになる資格

☆~side AKARI~

5月下旬。
久しぶりの東京。

健吾さんは話には聞くけど、今日が結局初対面。

ゴールドヘブンリーホテルのチャペルの新郎側後方にノリと大和くんと3人で着席する。

高校の頃の写真より、かなり大人びた男性へと変貌している健吾さん。

まぁ、龍成社の次期社長なだけあって、風格がある。

けど、新婦の玲奈さん。
うゎぁ、キレイだ。

ひととおりの儀式を終え、退場するふたりに思わずデジカメを向けたら、ふたりで私のカメラに目線を向けてくれた。

幸せそうだなぁ。

そう思いながら、ふたりの背中を見送った。

チャペルを出て、食事会のため小さな宴会場に入る。

成瀬川家の御曹司の披露宴にしては、かなりこぢんまりした印象。

新郎新婦を入れても総勢で18人の列席者らしい。

友人数名と、親きょうだいだけ。
色んなところに報告しないといけないんじゃないのかなぁ、健吾さんくらいの立場なら。

結婚していること自体も秘密にするらしい。
そこには色々事情があるみたいだけどね。

食事会の会場に入った。
大きな1つのテーブルに全員が座る。

私は列席者の顔ぶれを人通り確認した。
ひと回りして、2周目に、私はある男性から目が離せなくなった。

既に新郎新婦も着席し、ひとりひとりの挨拶が続く。

健吾さんの考えなのか、まずは友人関係からの挨拶になった。
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