方言男子に恋をした
3.聞いていません
「ちょっと詩織先輩ー。いつもより酷い顔していますよ？」

「んー…」


朝会社に出社して、美宇ちゃんにかけられた言葉がいつもよりキツイような気がする。

しかしそれに私は生返事しか出来なかった。

朝からあんな経験をして、電車に飛び乗って急いで出社出来る状態にしたのだ。
軽く流すことなんて出来るわけがない。

あぁ…なんか朝から疲れた。
こんなにもダメージがあるとは…。

大きく溜め息をついていると、前の席にいた美宇ちゃんが横の空いている席に移動してきた。


「詩織先輩♪」

「何よ」

「何かありましたよね？しかも男関係で」

「え⁉︎」


何よこの子エスパーかなんかなの⁉︎
それとも見たら、分かるものなの⁉︎

バッと彼女を見れば、ニコニコしている。
まるで、当たりですよねと言っているみたいに…。


「そ、そんな訳ないじゃない！何言ってるのよ」

「先輩嘘ついてもバレバレですよ」

「だから違うわよ！」


バレるわけにもいかない私は必死に否定する。
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