【完】キミと生きた証
鞄を置いてから仁奈ちゃんの席へ向かう。
仁奈ちゃんはスカートの下に履いたジャージを脱いでいて、陸上で鍛えた綺麗な足には目がくらみそう。



「おはよー、仁奈ちゃん。」


「おはよう!それかぁ…昨日メールで言ってたヤケドって。」



「うん…この包帯とっちゃおうかなぁ。」


「だめだよ。ばい菌はいっちゃう。」


「うーん、でも大袈裟なんだもん。なんかこれじゃみんなに悪いし…。」


「愛されキャラなんだから、心配されたげなよ。」



またちんちくりんなあたしの頭を仁奈ちゃんがポンポンと撫でた。



「ちーちゃんをめでるだけで仁奈たちは幸せなんだよー♡」


「えー。ふふっ。・・・・嬉しい。」



思わずはにかんでしまう。


「まぁ可愛い♡ちーちゃんおいでー!」


ふざけた仁奈ちゃんにぎゅっと抱きしめられると、仁奈ちゃんの隣の席のタカハシくんや通りすがりのミキちゃんや、仁奈ちゃんの後ろの席のカナちゃんが「ずるい!こっちにもよこせ!」って。



あたしは多分、みんなの”妹”っていうよりも、”ペット”寄りなんだと思う。




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