【完】キミと生きた証
道に敷き詰められた木の板をかたかたと鳴らして歩き、隣の神社のベンチに座って休憩した。


「・・・神社か。懐かしいな。」


「初詣とか、神社いかなかったの?」


「初詣行ったことねえな。今年は飲み明かした。」


「もう、北工生は・・。」



ちとせは呆れて笑ってる。



・・・俺はそもそも神様なんか信じたことねえし、あの世の存在すら信じてこなかった。




けど、なんでか。



あの鳥居の赤が力強く見える。



この神社の佇まいも異様なほど強そうだ。



「瞬ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるね。」


「ん。待ってる。」



ちとせがトイレに行ってる間に、俺は神社の前に立った。



縁起がいいっていう5円玉を投げ込んで、鐘を鳴らして手を合わせた。






・・・どうも、神様。



頼みがあります。


・・・ちとせに、心臓をわけてください。


いつもすんません。


俺・・・しっかりやるんで、



頼むから、ちとせに


命、分けてください。








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