【完】キミと生きた証


今日はいつもより長いこと歩いたから、ちょっと疲れちゃった。



その日はそのまま、あたしの家に瞬がきてくれた。



"ゆっくりしていって"って言ったのに、気を使ってすぐに帰っちゃった。


疲れてるのばれたんだろうな。



「じゃ、またな。」


「今日はありがとう!ばいばい。」



家の外は夕暮れどき。



いつまでも手をふってると、”中に入れ!”ってジェスチャーを送ってくる。


”やだー!”って返すと、ふっと笑ってまた歩き始めた。


曲がり角の前で瞬がこっちを振り返って、手を振った。



あたしも大きく手を振って、瞬が曲がり角を曲がった。



今日は瞬がいっぱい笑った。


首元のハートのネックレスに触れて、おもわずはにかんだ。




・・・好きが溢れる。





< 202 / 478 >

この作品をシェア

pagetop