【完】キミと生きた証
ツリーが見えてきた。


・・・今年も人でいっぱいだ。



ちとせは低いから見えてねえかな?



早くつれて・・・いや、やっぱのんびり行こ。



ちとせが楽しそうにしてるから。



去年みたいに、きっとわくわくしてるんだ。



去年の今頃は・・・まだ付き合ってなかったな。



すっげぇ、緊張してたっけ。


ってか、ちとせに初めて会った日からツリーに行く日まで・・・慣れることなかったよな。




「俺、初めて喋った日に・・ちとせに一目ぼれしてさ。」


「うん。」


「めちゃくちゃ可愛いと思って。初めて見惚れた。」


「えぇ・・。でも、あたしも。瞬を初めてみたとき・・・きらきらの金髪に・・綺麗な目が。かっこよかった。すっごく。」


「あの日雪が降ってよかった。まじで。」


「うん。そうだよね。」


「じゃなきゃ今もこんな可愛いの連れて歩いてねえわけだし。」


「・・・えぇ。」



ちとせが照れて笑う。



「退院したらまた久々に、あの待合でしゃべろうか。」


「うん。喋りたい。」



ちとせが振り返ってにこっと笑った。





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