【完】キミと生きた証

傍に咲く花

俺は教授に聞いた住所まで、電車を乗り継ぎ、なりふりかまわず走り続けた。
もう昼も2時を回ったころ、ようやくそこへとたどり着いた。



真っ白な壁。


人工的な花壇を越えて、ゆっくりと開く自動ドアを手で押しあけた。




「・・・っ。ちとせ。」



走ってはいけない廊下を走り、ぐるぐると建物内を一周する。



・・・くそ、ここどこだよ・・・。



階段にさしかかる手前、ぱっと開けた明るい中庭に迷い出た。




中庭を、木々が囲む。


秋なのに青い葉がつく。うちの病院と同じ常緑樹か。



煉瓦の花壇が連なっている。


その中に、色とりどりの花が咲く。




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