エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~

さよなら裕也くん

次の日曜日も沃野とさやかはタルトの美味しい青山のカフェにいた。

この場所は静かだが店内が広く、壁でセンス良く仕切られているために、個々の席が丸見えになることもならない。

沃野の正面にさやか、そして今日はその隣に裕也もいる。

「よかった。もし君がさやかを捨てると言ったら、とりあえず君を眠らせて病院に連れ込み、2度と子供を作らないようパイプカット(避妊)してもらい、それから今後誰かと付き合ったらもれなくその相手に君の子供の写真を送りつけるつもりだった」

沃野は、フォークの先でブっ刺したタルトの上のイチゴを裕也に突き付けた。

「彼、本気で言っているから。優しくみえても、やることは結構やばいのよ」

よかったね、とさやかが裕也ににっこりとほほ笑む。

まったくフォローになっていないが、裕也は無言で「うん」と頷く。
< 132 / 173 >

この作品をシェア

pagetop