年は暮れていく。
クリスマスイブ、母から手紙が来た。

母は故郷の秋田で看護師を続けている。亡くなった祖父母の家に住み、誰とも再婚せず黙々と働いている。
毎年、クリスマスには母からプレゼントが届く。
成人した娘に何を今更とも思うけれど、この習慣は娘を置いて家を出てしまった母なりの侘びなのかもしれない。

今年のプレゼントはニットのワンピースだった。
職場の若い子に見立ててもらったと書いてある。

素直に嬉しかった。
どころか、私にしては珍しく、このワンピースを着る機会を考えてしまった。
笙子とごはんに行く時にしようか。
それとも……しつこく誘ってくる相良と出かける時?

いやいや、そんなことは有り得ない。

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愛憎  同僚  執着 

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