「お前は俺のモノ」【完結】
「…何で隠すんだよ。俺のモンだって見せてるんだ」


また別の箇所に痛みが走った。


新たな、彼の証。


彼の手が私の衣服を弄る。


「…っ」

「お前の体に、俺を叩き込んでやるから。
俺以外無理ってぐらい」

「やっ」

「その内、慣れる。…タエ」


潤んだ瞳で彼は私を見上げる。
ソファに座っていて、その前にしゃがみ込んでいる彼は自然と私が見下ろす形になっていた。


私の胸元にある彼の顔。

熱の帯びた吐息を吐き出すと。


「――――………俺以外見るな」


彼がそう呟く様に言って、私の肌へと舌を這わせた。



何で、こんなに彼は私を束縛したがるんだろうか。

ペットだから?
逃げられたら困るから?
大金はたいて買ったから?


ほんの少しだけ。

ちらちらと見え隠れする、彼の裏側。


彼は、本当は優しいのかもって。
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