俺様上司は、極上の男!?
廊下をカツカツとテンポよく歩く。

営業1グループの前を通ると胸が悪くなった。
早く5階に戻ろう。

すると、なんてタイミングだろう。
ドアが開き、そこから朋子(ともこ)が顔を出した。


……櫟課長以上に会いたくないやつに会ってしまった。


「つ……つぐみちゃん!」


朋子もまた、私に会うと思わなかったようで、動揺した声だ。

朋子から目をそむけ、進路を横の階段に定めた私に、声が飛んでくる。


「つぐみちゃん!昨日のこと……あの!」


私は朋子をけして見ない。

あんたの言いたいことは謝罪でしょ?
それなら、昨日聞いた。

何度も聞く気はない。

私は朋子を無視し、階段を上がった。声はそれ以上、追いかけてこなかった。







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