俺様上司は、極上の男!?
「でも、俺はいつ声をかけてもらってもいい。相性のいい身体とのセックスは大歓迎だ」


櫟課長のはっきりした言葉に私はまたしても赤くなる。
処女だったわけでもあるまいし。
しっかりしろ、私。

彼の優位な態度に負けじと、睨むように見据えた。


「仕事に戻ります」


資料室の片付けは午後に回させてもらおう。

私は櫟課長の横を通り抜け、足早に場を後にした。

鼓動が早い。
私の脳裏には昨夜の彼が巡った。

甘やかすようなキス。
意地悪な指先。
薄茶の瞳が私を射抜く。
追い詰める言葉。
その身体で強引に高みに連れていかれる。
何度も、何度も。


あんな男だと思わなかった。

つまんない男だと思っていたのに。
反則級に最高のセックスを味わってしまった。

ダメだ、こんなこと、早く忘れよう。

事故だ、事故。
大事故だったけど、自損扱い。
私が忘れりゃ、話は終わる。

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