LOZELO
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4.Trust Nobody
入院二日目。
消灯前に電話がなった。お父さんからの電話だった。
何も話すこともなくて、聞かれたことにだけ答えた。
見舞いに行くと言われ、大丈夫と答えたが聞いてくれなかった。
時間ができたら行くと言われ、電話を切った。
時刻は午後9時。検査のために飲んだ下剤が徐々に効き始めて、さっきからトイレに何度も通っている。
点滴のスタンドを引く音に、カーテンからちらりと顔を覗かせた優奈ちゃんが心配そうな顔をする。
大丈夫だよ、と笑って見せたけれど、下剤の刺激が強すぎるかもしれないと言った神崎先生の予想が的中しているようだった。
激痛。そして、真っ赤な便。
正常でないことは承知しているが、人間の体に起きていることだと思うと怖くなった。
翌朝目覚めてすぐ吐き気止めの薬を飲まされて、その1時間後から、腸管を洗浄する薬を2リットル、持ってこられて目が覚めた。
吐き気止めで自分の体を騙してまで飲めということか。
江口先生が言ったとおり、おいしいとはお世辞でも言えなかった。
吐き気止めも効果を表さず、何度も戻しかけた。
涙を浮かべる私を、石山さんが何度も励ましに来てくれた。
そして、お隣の優奈ちゃんも。紗菜ちゃんがんばれ、って。
便が出きって完全に透明になれば、検査のOKサイン。
食事もしていなかったから、時間はさほどかからなかった。
検査室に呼ばれたと石山さんが私を迎えに来て、大げさだと思ったけれど車椅子に乗せられた。
重病感が否めなくて、ふざけてると笑いそうになった。