杉下家、姉弟の平和な日常
合流

俺の目の前には予想外の展開が広がっていた。

なぜか俺のかわいい彼女であるケイコと姉の由梨絵がすっかり意気投合し盛り上がっているのだ。

すっかり姉を「由梨絵さん」なんて呼んで楽しそうにしているのは、なんとなく面白くない。

「由梨絵さん、面白い人だね」

姉がトイレに立った時にケイコは満面の笑みで俺に話を振る。

「そう思ってくれるならよかったよ。ホントごめんな、急に呼び出して」

「もういいってば。でもさ、由梨絵さん調子悪そうだからもうそろそろ帰ろう?」

「彼氏とケンカして強がってるんだろ」

「もう、そこまでわかってるなら、もうちょっとぱあっと遊びに連れ出してあげるとか・・・」

「あのさ、アレ姉ちゃんなんだよね。ケイコのことだったら何でもしてあげたいけど、なんで弟が姉の恋愛に口出さなきゃなんないわけ」

「その辺が俊也のかわいくないところだよ」

「男はかわいい生き物じゃありません」

「ちょっとソコのラブラブカップル」

いつのまにか戻ってきていた姉がケイコと顔を寄せ合って話している隣で両手を腰に当てて仁王立ちをしている。
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