さぁ、オレと恋をしてみようか
*反抗期を迎えました
「さて、芽衣子。家の中に入ろうか…って、そんな睨むことないだろ…!?」


お父さんは、何事もなかったかのように話しかけてきて、それが無性に腹が立って、思い切り睨みつけた。


「お、おい!芽衣子っ」


そして、お父さんに口をきくこともせず無言で、家の中に入った。


「あら、芽衣子。今回は早かったのね」
「うん」


リビングに入るなり、お母さんがソファーに腰掛けたまま声をかけてくるも、素っ気ない態度で返事した。


「智衣ー。芽衣子のヤツが、反抗期なんだよ…」


すると、お父さんがションボリしながら、お母さんに助けを求めるように、横に座った。


反抗期って……自分が悪いくせに。


「なに言ってるの。賢太くんが悪いんでしょ?あれだけ〝おとなしく待ってなさい〟って言ってるのに、外に出るから。それは芽衣子だって、怒るわよ」


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