Engage Blues

そして、やっぱり溺れて死にかけそうです。










 わずかな明かりの中、ベッドに押し倒される。


「ん」


 服を脱がされて全身を愛撫される間、ずっと口づけを繰り返されてる。
 唇や舌を舐められ、きつく吸われた。


 そうやって触れられてると、意識が飛びそうになる。手放したらどうなるかわからない。

 気持ちいいのに、その先を知るのが怖い。


 慶さんは元から寡黙だけど、ベッドの中だとさらに激減する。
 もちろん、触れてくる手の温もりと優しさで彼の気持ちはわかる。



「梨花……」

 唯一、熱っぽく名前を呼ぶ時が彼なりの合図だった。

 耳元で囁かれ、肌をぴったり押しつけてねだるだけ。

 絶対に乱暴に奪ったりしない。必ず、わたしに許しを請う。

 その紳士的な態度が嬉しくて、もどかしくもある。

 たまには強引に奪われたい。
 余裕がないくらいに責められて、身体をとろとろに溶かされたら。

 そんな瞬間を待ちわびながらも、焦らされる辛さに耐えきれない。
 いつも音をあげるのはわたしの方。



「……きて」

 身体を少しだけずらすと、慶さんがゆっくりと中へ侵入してくる。

 重ねられた肌の熱さと濡れた溜め息。
 微かにこらえるような表情。





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