最後の賭け
計画
モヤモヤを一瞬で吹き飛ばすことが起きた。

遅ればせながら夏休みの有給休暇を、ユウジと合わせて九月に取ることにはしていた。

昨日、彼から電話があり、一緒に旅行に行こう、という話になったのだ。

もちろん二人ともそこまでまとめて休みは取れない。

薬局も、新人の子とパートだけに任せるわけにも行かないから、エリアマネージャーに何日か出勤してもらう予定になっている。

ユウジの方も、同じ感じだった。

一緒に過ごすつもりではいたものの、旅行に誘われるなんて思ってもいなかった真衣子は、一瞬でテンションが上がってしまった。

「二人で温泉もいいけど、まだ少し暑いよね。真衣子さんは行きたいところとかある?」

居酒屋での待ち合わせに、ユウジがいくつかの旅行会社のパンフレットを持ってきた。

会社に申し込まなくても、参考にはなるだろう、と。
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