イブにあいましょう
デートからの、復縁 (最終話)
翌日。
私は朝一で、オークションの落札代金20万円を、イベントを企画・実行した会社へ振り込んだ。
3日以内に振込が確認できない場合、デートはキャンセルになってしまうということだったので、念のために、あみかさんへ振り込んだ旨を連絡しておいたら、あみかさんの方も確認できたということだったので、ひとまずホッとした。

あぁ、これであみかさんのところからいただいたギャラ以上の金額が、あっという間にすっ飛んでしまった・・・。
でも、この落札代金は、全額寄付するそうだし。
誰かの役に立つ上に、私だって20万円以上の価値があるもの―――チャンス―――を手に入れたんだから。
これで良かったんだよね。

私は、自分のスマホを手に取ると、振込が無事完了したことを、仕事中の紀章さんにメールで知らせた。
紀章さんが仕事中だと知ってるのは、昨夜紀章さんから電話がかかってきたからだ。

最初、紀章さんは「試運転」と言っておきながら、「りさ子が無事に家に着いたのか気になって」と、ボソッと本音を言ってくれたことが何気に嬉しくて。
私のハートがホンワカと温まった。

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