第二秘書は恋に盲目
4.有能な先輩秘書
私は今、終わりの見えない量の住所の打ち込みを完了させるべく、ひたすらにパソコンに向き合っていた。

眉間に皺を寄せて、一体なぜこんなことをしているかというと…。

それは朝、デスクに座ってからすぐに近づいてきた第一秘書の槇島さんの第一声から始まった。

「暇だろうから仕事を授ける。

今度書類を郵送する関係者の住所だ。
打ち込んでおけ」

おぉ…。
ドカッと置かれた分厚いファイル。あまりの量に顔が引きつる。

「まさか、これ全部ですか…?」

「笑わせるな。

こっちもだ」

デスクの上に同じ厚さのファイルが2冊追加される。
バランスを崩して雪崩を起こしそうになっている。
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