ピュア・ラブ
たぐりよせ・愛

1

私の願いは一つだけ
どうか、わたしに構わないで

いつものように何事もなく一日が終わった。
波風を立てることもなく、淡々と一日は過ぎ、一週間が過ぎる。
そうして過ごした日々はもう何年になるだろう。

「やっと週末ね」

職場の工場の正門を出て、空を見上げる。
深いため息と共に、安息感も訪れる。
夕方でもまだ明るい。
昼に見た入道雲はどこに行ったのだろうか。暑さの苦手な私は、会社の寒いくらいにクーラーの効いた中にいて幸せだ。
だが、帰るころになると、体が冷え切っていて、外のぬるま湯のようなムッとした空気が丁度良く感じた。
計画など何もない。自分だけを信じて生きてきた年月。信じる者は自分だけ、そして、何より怖い物も自分。
人は信じない、とくに親はもっと信用しない。
私には厄病神が憑りついている。
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