★★★★★
立ち上る如く香る雌蝶たち
――時は明治。

宿命に従うしかなく瞳に憂いを含ませながらも、それでも明日へ向かい生きて行かねばならない女たちの姿。

夜毎、不浄を耐え抜きながら脳裏にはそれぞれの愛しい人を儚いまでに想う――。

揚羽、珠喜。同じ籠の中に居て、お互いにお互いを見る強き絆と、二人の「孤独を恐れ愛を求めた」酷く歪んでしまった人生の末路。

他人の目には非恋としか映らなくとも愛しい何かを守るため、不器用に生きた彼女たち。


―――――


揚羽、珠喜、遙、瑪瑙。

それぞれに皆、不思議と妖艶な魅力を持って読み手を惹きつける登場人物たちです。

巧みな文章に魔法をかけられ吸い込まれ、タイムスリップしたような感覚を得られるでしょう。

切なく涙しても後味の良い香りが残る作品です。


Mr.F
Mr.F
11/07/12 04:37

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