先生、恋ってなんですか?
“幸せの味”についての考察


夢は“幸せを食べられるレストラン”だ。


幸せについて考えてみる。
たくさんの幸せの形があると思う。
幸せを感じられるのは、結局は人の心次第だから。
嬉しくて泣いて、嬉しくて笑う。
その幸せを形に残す人。
心の中にしっかりと刻む人。

人生のなかで幸せを象るものは様々だと思う。
生まれた日の喜びも、出会えた日の喜びも、共に歩む日々の喜びも。
お誕生日に卒業、入学、結婚式……
大きな幸せは人生のターニングポイントと共にあるのかもしれない。

けれど私はやはり思う。
日々の食事、その一つをとっても、幸せを感じることができるのではないか、と。
美味しいものを食べたとき、人は自然と笑顔が溢れる。
食事はやっぱり生きることに直結する幸せの形だ。
初めて台所に立って、作ったご飯。
幸せそうな両親の顔を見たときに、幸せって食べられるんだって感じた。
そして、いつしかそれが私の夢になった。
誰かに食事を食べてもらい、誰かが笑顔になる。
それは私には喜び以外の何物でもない。

食事以外にだって、もちろん幸せは隠れている。
好きな人が、好きだと言ってくれたとき。
その人の寝顔を見たり、唇を重ねるとき。
軽口を叩き合うとき。
気の置けない友人と過ごすとき。
柔らかな陽射しをこの身に受けるとき。
幸せは、何気ない日常の中にさりげなく共にある。



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