課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜
秘密にしときます



 ふう。
 終わったー。

 昼までに済ませておきたかったデータ入力の仕事を終えて、パソコンの前で真湖は伸びをする。

「真湖ー。
 お昼行こー」

「うん。
 社食?」
と礼子を振り向き言うと、

「社食、社食。
 給料前じゃん」

 みんなも社食に行くようだった。

 後輩たちも連れ立って、エレベーターへと向かう。

 すると、そこでは、雅喜と花田がエレベーターを待っていた。

「お疲れ」
と愛想の良い花田がみんなに笑いかける。

「お疲れさまですーっ」
と挨拶を返した後輩たちが、花田と楽しげに語り始める。

「課長、社食ですか?」
と真湖は雅喜に訊いた。

「俺が社食に行ったら、なにか問題があるのか」

 相変わらず、可愛くないな……。

 しかし、この展開はまずいような。
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