私は、エレベーターで恋に落ちる
初めからよろしくお願いします
昼下がりの異様に日の当たるオフィス。

お腹も満たされた午後。

こう来れば、眠くなるなという方が間違ってる。

しかも、全神経と全肉体を使って、散々暴れた後だし。


私のしたことには、違法性がない。
(道徳的には褒められたことじゃないけど、法律的には問題ない)って言われたはずなのに。
帰してもらえないまま、27階のオフィスの会議室に座らされていた。

私の前には、伊村さんが監視役のように、鋭い目つきでこっちをにらんで、腕組みしながら座ってる。

その横でもう一人、小男が部屋を出たり入ったりしている。

私は、何もすることがなくて、退屈していた。

死ぬほど眠い。あくびをするのを我慢する。



「えっと、篠崎様。本日は、大変申し訳ございませんでした」

あくびを我慢しているうちに、目の前に人が一人増えていた。


さっきまでいなかったダークスーツの男が座って頭を下げている。

その男が言う。
「私、B.C. Buildingセキュリティーの警備主任をしております、狩野と申します」

狩野さんは、テーブルにおでこが付きそうなくらい深々と頭を下げた。
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