あなたの願いを叶えましょう
2. 暴かれた王子の秘密
23:35

腐女子会を終え、友人二人と別れた私は千鳥足で地下鉄の駅へと向かう。

改札を抜けて階段を下りていくと、タイミングよくホームに電車が滑り込んできた。

覚束ない足取りで駆け込み乗車すると、すぐさま後ろで空気の抜けるような音がして電車の扉が閉まった。

ギリギリセーフ。

金曜日の夜ということもあり、飲んで帰って来た人が多いようで車内は混み合っていた。

座席も全て埋まっているので、仕方なしに窓際の手すりにもたれかかる。

しばらく電車に揺られていると目の前がチカチカしてきた。

…あれ、なんだか目眩がする。

お酒を飲んでダッシュをしたせいでアルコールが急激に回ったのか、徐々に目の前が暗くなっていく。

目をギュッとつぶると脳がグルグル回り、目眩は余計に酷くなるばかり。
額には薄らと冷や汗が浮かぶ。

…このままじゃ電車で倒れる…もう限界

そう思った瞬間、次の駅で電車は停車し、ドアが開く。

私は慌てて外へと飛び降りた。
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