あなたの願いを叶えましょう
ああ…こうゆう人達が会社の偉い人になって、組織を動かして行くんだなぁ…となんだか妙に納得したものだ。

そして、それと同時に私は組織のイチ歯車として頭のいい人達に使われていく人材なんだと思い知った。

あの日彼が言った「見ている景色が違う」というのは、きっとこういうことなのだろう。

私の話を二人は神妙な顔つきでジッと耳を傾ける。

「だから結婚に逃げることにした」

私は言った、言いきった。

「…仕事は辞めないけどさぁ」

キャリアウーマンの優奈はお椀を傾け、ブランデーのように中のマッコリを掻きまわす。

「確かにこの先独りで頑張り続けるのは正直シンドイよね…」

心の奥底にある切実な思いを吐露すると、二人も痛々しそうに顔を歪める。

「…合コンにいい人がいるといいね、エン」

彩はほっそりとした手をそっと私の肩に添える。

私は力いっぱい首をブンブン縦に振る。

その後、本日何度目だか解らない乾杯をすると、三人揃ってブハ―と盛大な溜息をついた。















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