結婚も2度目だからこそ!
4同棲から結婚に至るまで

波乱の幕開け

「……」


携帯のディスプレイを見て、ため息を零す。


智樹と一緒に暮らすようになって、2週間が経つ。

毎日が楽しくて幸せで、それ自体は特に問題はなかったけど、ある事で心配がひとつあった。


それは、履歴に並ぶ非通知。
毎日必ず一回、電話が掛かって来ていた。

その電話はいつも出られない仕事中か、夜中寝ている時間にあった。


だから不在着信ばかりが履歴に溜まっている。


嫌な予感がした。
もしかして、という思いが拭えない。


ううん。
もしかしてじゃなく、多分掛けてきているのはアイツだと確信する。


せっかく智樹と新しい生活を始めて、傷も癒えてきているのに。
前向きに自分の幸せに向かって、歩んでいこうとしているのに。

あっちだって、あの女とまだ繋がっているんでしょ?


なのに今更なんで電話なんてしてくるのか、理解が出来ない。

もうほっといて欲しい。
お互いそれぞれの道を歩んでいく、それでいいじゃないの。

なのに、どうして……。



「具合でも悪いのか?顔色が優れないようだけど」

智樹に声を掛けられ、ハッと我に返った。
どうやら心配されるほど、私の表情は曇っていたらしい。


「う、ううん。大丈夫、具合悪くないよ!心配してくれてありがとう」

私は慌ててそう返した。


智樹に話せば、きっと助けてくれるだろうと思う。
でもこれ以上、智樹に圭悟の事で重荷を増やすのは良くないと考えていた。


これから先は私自身が強くなって、自分ひとりで解決していかなきゃいけない。

今まで散々私を助けてくれて、心強い言葉をくれたから。


これは私の問題。

ここを乗り越えたら、本当の穏やかな生活が待っている。


そう思って、智樹には非通知の事を話さずにいた。
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