Tower of Fantasy

森の中で

2人は森の中の道を歩いていた。


「サーラ…?」


「…何」


「…。」


リューロはそっとため息をついた。

サーラはアレフの姿が見えなくなった途端、むっつりし始めたのだ。

暗いこと、この上ない。


「…なぁ」


「…何」


「…。えーっと、気分は…?」


「見ての通り、上々」


リューロはどこが上々だ、と問いたくなるのをグッとこらえた。


「…なぁ」


「しつこいわね。何」


「…は、腹減らねえか?」


「虫でも捕まえて食べておきなさいよ」


ひどい言いようである。


「…サーラ」


「…だから何」


このように、リューロはしばらくサーラに勝ち目のなさそうな戦いを挑んでいた。

その時。


ガサッ


茂みから物音がした。

リューロとサーラは立ち止まり、目の前の茂みを見つめた。

次の瞬間、謎の物体が転がり出てきた。
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