竜宮城に帰りたい。



「ここや」


「え、ここ…?」


「おっきょいやろ。この辺の地主。」


「へぇ〜…」



おととい祐くんがちょっとした小金持ちくらいのテンションで言ってたから、
ここまで大きなお屋敷は想像していなかった。


かなり古そうなお屋敷だけど、
昔ながらの佇まいが逆に荘厳さに拍車をかけている。



祐くんが気軽にインターホンを鳴らすと、
中からその辺にいそうなラフな格好の晴が出てきた。

せっかくの高級そうな雰囲気が台無しだ。



「今日礼二と慎、家の手伝いで来れんようになったげなで。」

「あいつらの家漁師と農家やけん、大変なんや。」


祐くんが私に解説してくれた。


「もう瑞季おる。」

「おっけー」



瑞季ちゃん先に来てたんだ…


「お邪魔します…」


私はビクビクしながらお屋敷の中に足を踏み入れた。




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