哭く花
変化

いつものように、

私が終礼を終えて歩く帰り道。

すると後ろから先生の車がやってきて

窓が開いたかと思うと、その中から

乗せていくよって言ってくれる。

この瞬間から、私達は、

先生と生徒じゃなくて、

親子に変わるのだった。



いつもならそのまままっすぐ家へと帰るのに、

先生の車は私を乗せると、再び学校の方へと走り出した。

「あれ?忘れ物?」

「違う、連れていきたいところがあるんだ」

それだけ言うと先生は、何も教えてくれず、

車は静かに走り続けた。

外にいた夕日もだんだんと沈み始める頃、

先生の車は大きな植物園で止まった。

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