意地悪な片思い

ビターな香り


 週末がすぎてまた新たな一週間が始まった中、私は来週行われるイベントの準備でバタバタしていた。

それは私も一部企画に携わらせていただいたもので、イベントで流す映像作りに関係させていただいたり、しなければいけないことも幅広い。下の階でメインに行われているため、私は朝から階段を何度も往復する始末。

ようやく普段通りの仕事に戻れる頃には、とっくにお昼をすぎていた。


 明日は実際に現場に行く予定だし、今日以上に忙しんだろうなあ。
まぁ忙しいのはいいことなんだけど。

そんな風に感慨にふけながら、持参したサンドイッチを口にいれる。
到底“あの”サンドイッチには適わないけれど、それでもおいしい。

甘い卵の味が口に広がって、だんだんと口の中がぱさぱさしてくる。

コーヒーでも飲みに…。
そう思ったとたん、私はハッとして頭をふるふると振った。


だめだめ、給湯室行ったら鉢合わせしちゃうかもじゃん!
私には絶対手に負えないもの!

あぁもう余裕ができるからこんな邪念ばっかりになっちゃうんだ、
もっと働かなくっちゃ!


最後の一個であるサンドイッチをむしゃりと頬張った。

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