眼鏡とハンバーグと指環と制服と
第二十二章心配し過ぎなんじゃないかなーとか思い始めていた
あれからまた、柏木さんが伯母様に抗議してくれた。
ショートケーキを私の前に持ってこないように、って。

伯母様はなにやらいっていたみたいだけど、会長に報告する、っていわれて静
かになったみたい。

その週は呼ばれなくてほっとしたんだけど、次の週、また本家に呼ばれた。

「ごめんなさいね、先週はこれなくて。
私、夕葵さんとお話しするの楽しみにしてるから、残念だったわ」

「……はい。
私も伯母様とお会いできなくて、淋しかったです」

……ほんとは二度と、会いたくないって思ってたけど。
でも義理の母親になるんだし、おばあさまの目も怖い。

「あら、伯母様なんて他人行儀な。
もう少ししたら親子になるんですもの。
お母さまって呼んでくださって結構よ」

「ありがとうございます。
……お母さま」

緊張からか、無駄に心臓がドキドキする。
やっぱり私は、伯母様が怖い。
いつもショートケーキを持ってくるから、とかじゃなく。
私の身体が、この人と関わっちゃダメだって、警告してる気がする。


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