bajo la luz de la luna

―la comida de“mirai”

 アタシは可愛い部下達に、小声で翻訳・要約した上で先程の会話内容を伝えてやった。彼・彼女らはやっと理解したという風に、心底満足そうな顔をした。

 今日は本来、ホワン・アルバラードが同盟を組もうと持ちかけてきたから会おうということになっていた。だが、当の本人はもう居ないし、アタシが同盟を組むのはまだ見ぬルイ・アルバラード率いる新生クレオファミリーだ。よって、この集まりはただの食事会と化した。



『……討論、は終わったかな?料理は温め直したので、熱い内に召し上がって下さいね。群君も何か頼むかい?』



 気を使い、一度厨房に引き返してくれていたらしい悟さん。彼は群を、アタシの婚約者ということもあってよく知っているのだ。



『あぁ……そうだな。俺はあまり腹が減ってないから、みんなの食事が終わる頃にデザートを一緒に頂こうかな。食後にクレマ・カタラナを六つくれるか?』

『かしこまりました。』



 悟さんはそう言って、アタシ達が頼んでいた料理をテーブルに乗せてくれる。六人がけの席に移動させてくれた上での配慮に感謝した。ちなみに群が言った“クレマ・カタラナ”とは、スペイン版クリーム・ブリュレのことだ。
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