癒しの田中さんとカフェのまみちゃん
サプライズ
癒しの田中さん2号?の存在が悟さんのお父様で、
悟さんは御曹司で、しかも52Fの住人。

そのすごい人から昨日、プロポーズされて、
承諾してしまった自分。
自分でも不思議な気分だった。

今日は仕事が休みで本当によかったと思った。
あまりにもいろいろなことがありすぎて、
ちょっと頭の中を整理したい。

夕方、悟さんから電話が来た。

「真美奈、指輪を買いに行くよ。
真美奈のアパートまで迎えにいくから。」

「あの、服装、どうしたらいいですか?」

「いつも、うちの会社に打ち合わせに来るような
格好でいいよ。」

「わかりました。」

確かに悟さんに『指輪、買いに行こうな。』と言われてはいたけど、
リップサービスじゃなかったんだ。

悟さんがアパートに着いた。

「真美奈、何、その荷物?」

私はスーツに合うビジネスっぽいバッグを持っていた。

「スーツに似合うバッグはこれしかなくて…」

「いや、そういう意味じゃなくて、
ずっと真美奈に俺のところで暮らそうと
アピールしているのに、
プロポーズのOKをもらっても一緒に住む気はないの?
とりあえず、何泊分かの泊まれる道具をもってこいよ。
引っ越しならいつでもできるから。」

悟さんの強引な物言いに折れる形でスーツケースに荷物を詰めた。

「さぁ、車に乗って。」

悟さんのいわれるがまま車に乗った。
連れていかれたのはジュエリーショップ。

「真美奈の好きなのを選んでいいよ。」

と言われた。普段つけていられるシンプルなものにした。
といっても、プラチナ台に0.2カラットの小ぶりのダイヤのついたもの。

「悟さん、これにします。」

そういうと、

「値段は気にしなくていいよ。もっといいのを選んで。」

との返事。

「いつも身につけていたいので、これがいいんです。」

と言って納得してもらった。
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