完璧な彼は、溺愛ダーリン
スパダリの欠点。


朝、目が覚めた私はまだ眠い目を擦りながら時間を確認しようとケイタイに手を伸ばす。
だけど、いつもある場所にない。


「ん……、ケイタイ」


そう呟きながら、段々とぼやけていた視界がクリアになって私はハッとした。


横に寝ているのは葛木さん!? え?
何、どういう事。えっと、何? 私昨日どうしたっけ。

家に来てからどうしたっけ。
パニックになりながら昨日の記憶を引きずりだす。


ご飯食べて、お風呂入ってから、髪の毛を乾かしてもらって……。
あれ……、私もしかしてウトウトしてて寝ちゃった?

何たる失態。
起き上がり頭を抱えながら、葛木さんをちらっと見る。


スヤスヤと眠る葛木さん。
あの後、葛木さんもお風呂に入ったんだろうか。

髪の毛がいつもよりふんわりとしている。
セットされていない彼を見るのは初めてだった。


触ってみてもいいかな。
私は高鳴る胸を抑えながら、彼の黒い髪の毛に触れた。


ゆっくりと撫でているとパシッとその手を掴まれて、心臓が飛び出るんじゃないかってほどに驚いた。

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