強引部長の独占ジェラシー
6、告白



ようやく寒さが緩み、日差しが少しばかり暖かく感じるようになってきた3月頃。


「本日朝倉は1日外出です。はい、折り返し連絡致します」


向いで電話対応を終えた彼女がはぁっとため息をついた。


「部長が1日いないなんてやる気出ませんね〜」


彼女の名前は石原さん。私よりも2つ下で今年入って来たばかりの新入社員。私の直属の部下だ。

「昨日も外出だったのに〜今日も朝からいないなんて〜モチベーションが下がるなあ。ねっ、川島さん」


ね、と言われても……。


語尾を伸ばしながら特徴的な高い声を出す彼女はぱっちりとした目でこちらを見ながら、緩く巻いた茶色髪を揺らす。


可愛らしい容姿に愛想もいいことから石原さんは社内のアイドル的な存在だった。

私も話しやすい彼女の性格は好きだけどひとつ、問題があった。

それは……。


「そうだっ、川島さん〜また分からないところが出てきちゃったんです。ちょっと見てもらっていいですかぁ~?」


仕事が出来ないところ。いや、出来ないというよりやらないと言った方が正しいかもしれない。

あともう少しで石原さんのひとつ下の代の子達が新入社員として入ってくるから、それまでにはなんとか出来るようになってもらいたいところなんだけど……。


「ここはコントロールを押しながらエンターキーを押せば自動的にプログラムを組んでくれるようになってるから……」

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