強引部長の独占ジェラシー
ぼーっと去っていく部長の後姿をガラス越しに見つめる。
『何事にも一生懸命になれるのはお前のいいところなんだろうな……』
『お前のそういうところ、俺は割と好きだぞ』
思い返すと、気持ちは溢れ出す。
部長が好きだというこの気持ちはいつまで隠しておけるのだろう。
「あの……お客様さん、次はどちらへ?」
「あ、すみません」
私は運転手さんの言葉で我に返り、自宅の住所を伝える。
車のミラーに反射して映る自分の顔は真っ赤に染まっていた――。