強引部長の独占ジェラシー


「じゃあちょっとやって見てもらってもいいですか?あっ、それと……これも分からなくて、なんか川島さんがやった方が早いような気がするんですよね〜」


もう少し時間がかかりそうだった。


「でもほら、これは自分の仕事だから自分でやらないと……」

「でも三浦さんは笑顔で引き受けてくれましたよ?」


しかもこの言葉。毎回同じように言うこのセリフに私はどう返したら分かってもらえるのか悩んでいた。

社内1モテる彼女に男性陣はかなり甘い。そこを引き合いに出されてしまっては上手く言い返す言葉が見つからない。


「お願いします。川島さんにしか頼めないんですよ……この書類今日までで……」

「今日!?」

「そうなんです……」


彼女は泣きそうな顔で手を合わせてきた。あいにく、教えながらやるような時間はない。


「分かった」


私はそう答えると彼女から、訂正案を受け取った。


「ありがとうございます、本当助かります〜データ今からメールで送りますね」


本当はもっとしっかり言えるタイプだったらいいんだけれど、いつも断れず受ける羽目になってしまう。


「時間がある時にまた教えるからその時にちゃんと覚えてね」

「はい」


彼女に背中を向け、断ることが出来なかった自分に小さくため息をついたその時。


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