ガード
変化
「翔、朝ご飯は?」

「すんだ。」

「歯磨きは?」

「すんだ。」

「着替えは?」

「見たら分かるだろ。」

苦笑しながらそう言い切った王子は、今日の仕事内容を私たちに話し出したのである。

****

「学校を視察する。アローグループが、というより父が創立したもので、俺も不本意だけどその矢形中高の卒業生だ。今日はそのガードな。高校生だからって甘く見るなよ。」

さて、ここまでで疑問点が2つある。

なぜ翔が私立の超名門校に不本意などとウンチクをつけたか。

そして年が5歳以上も違う中高生をなぜ警戒しなければならないかだ。

しかしその理由はすぐに判明した。
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