朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
8.星空の下で


時が経つのって早い……。

エドガーと結婚して王妃となり、早二週間が過ぎた。


「ねえ、私に手紙は来なかった?」


執務室で国内外からの手紙に埋もれているエドガーに話しかける。壁一面に置かれた書類を綴じたものとエドガーの仕事机意外ほとんど何もない部屋は、意外に一番落ち着く。私はエドガ―の邪魔をしないように静かにここで本を読んだり綴りの練習をするのが日課になっていた。王妃になる前と比べたらすごい進歩だと自分で褒めちゃう。


「あったら渡す」


短く返事をして、エドガーは視線を手紙の山に戻す。その中は国内外の貿易に関する書類や地方の領主の税金の報告書など様々なもので溢れているらしい。朝の謁見もたくさんの人が並ぶし、色んな人の話を聞いてひとつづつ問題を処理しなきゃならないんだから、大変だ。真剣なエドガーの邪魔をしないよう、静かに挨拶して部屋を出た。


「もう二週間かあ……」


二週間と一日前。ボートレイト伯爵はいい加減にアミルカに着いたはずなのに、あれから何も連絡がない。

伯爵がお母様やお兄様たちを説得できる保証はない。もしかしたら全員で私のことを見限って憎んでいるのかも。

それにしたって、シャイレンドルフのお医者様があっちに行ってるんだもの。お母様の病状がどうなのか、それくらい知らせが来たっていいようなものなのに。


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