秘密の恋 〜社長に恋して〜

夢見るだけの恋

(- 限界かもしれない・・・。もうこれ以上は…。)

びしょ濡れのまま、瑞穂は駅に向かって歩いていた。
走るにはもう遅いぐらい、服は色が変わり、ずっしりと重みを増していた。
髪の毛からはポタポタと雫が落ちた。
道行く人がチラッと瑞穂を見た。

(- 電車にも乗れないな…。これじゃあ。)

瑞穂はふっと、一軒のショップに目が留まった。
高層ビルの中にあると、こじんまり見える3階立てのビルの1階。
控えめな店舗の構えだが、飾られていた1着のドレスに目が留まった。

普段なら素通りしてしまうような店。

< 12 / 80 >

この作品をシェア

pagetop