あずゆづ。
面目ないデス

「あれ?梓ちゃん帰らないの?」


おいしいパフェを堪能し、解散しようとお店から出た私たち。


「あー、うん………私、その、どうやら学校に忘れ物しちゃったみたいで」


まさかゆづくんに会うなんて、ゆうちゃんに言えるはずもなく。

必死に思いついた嘘は、我ながらナイスな嘘だと思った。


「そうなんだ……俺も一緒に行こうか」


それなのに、優しいゆうちゃんは心配そうにそう言ってくれた……けど。


「あ、大丈夫! 私ひとりで平気だから……みんなまた明日!」


これからゆづくんに会える。


それだけで私の頭はいっぱいだった。


早くこの場からいなくなって1人になりたくて、強引に話を打ち切った私は公園に向かった。



私が鼻血を噴いた公園……

ゆづくんと、初めて一緒に帰ったときに寄った公園だ。



不思議だ。


その公園に向かう足取りがすごく、軽かった。



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