強引社長といきなり政略結婚!?
キスの先にあるもの
翌日の日曜日。
ひと晩経ち、お尻の具合はだいぶいい。鏡で見てみたところ、尾てい骨のまわりが青あざになっていてギョッとしたけれど、普通に歩くぶんには問題なさそうだった。予定どおりにアルバイトもできそうだ。
怪我に免疫がある自分を褒めてあげたい。
着替えを済ませたところで、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「汐里様、失礼いたします」
「どうぞー」
声をかけると、多恵さんが大きな包みと花束を抱えて入ってきた。
「それ、どうしたの?」
「たった今、朝比奈様がお見えになりまして」
「え!? 朝比奈さんが!?」
昨日、帰り際に『なにかあった時に連絡がほしい』と朝比奈さんに言われて交換したスマホのナンバー。そのスマホに連絡が入った形跡はない。
「それで朝比奈さんは?」