記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!
6 過去に立ち向かう時





 徐々に窓の外が白むのを、ベッドに横になりながら眺めていた。
 一睡も出来なかった。
 頭の中は、朔が言った「手紙」のことで一杯だ。

 けれど、どんなに思いだそうとしても、目立つであろうエアメールを見た記憶がない。
 雪乃は頭の横に置いてたスマートフォンに視線だけを向けた。昨夜の内に、母親に朔からの手紙について問うメールを送ったのに、返信は来ていない。

 もともと小まめにメールをチェックするタイプではないからと思うのだが、今回は答えを知りたくて気持ちが急いてしまう。
 ごろごろしていても、一行に眠気は襲ってこないと判断した雪乃は、ベッドから出てクローゼットに近づいた。

 今日にも両親は帰ってくるし、軽く掃除と洗濯をしてしまおう。
 楽な服装に着替え、ベッドカバーと枕カバー、毛布を回収してランドリールームで洗濯機に突っ込んだ。

 洗濯機を回している間に掃除機でもかけてしまおう廊下に出るとーー。

「わっ!」

 危うくロボット掃除機に躓くところだった。



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