それはちょっと
Kiss6*私もわがままですから
――僕のお嫁さんになってよ

部長の言葉が頭の中を反芻していた。

「彼女からお嫁さんって…」

はい、昇格しました…って、違う違う!

まずはいろいろと気持ちを落ち着かせよう。

毎度おなじみの部長のジョーダン…だと信じたいけれど、そんなことを思えなくなっている自分に気がついた。

それどころか、彼とそれ以上の関係を望んでいることにさらに気づいた。

もしかしなくても、私は部長のことが好きになっている…?

いや、違う。

お嫁さんにしたいなんて言うわがままを言われて好きになる訳がない。

そもそも、結婚自体を意識したことがない。

もちろん縁とかタイミングがあったら結婚をしたいなとは思っているけれども…ダメだ、自分でもよくわからなくなってきた。
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