アウト*サイダー

* 特別だから



 ……解せぬ。

 どう考えたって。

「……解せぬっ!」

 ハルちゃんと無事仲直り出来た。うむ、これは真に良きかな。

 翌日、ハルちゃんと仲良く登校した。うむ、うむ、これも良きかな。

 そして、いざ戦地に赴くように教室に入って、そこで目にした光景に私はまず己の目を疑い、こめかみが痙攣を起こし、アイツの本気を疑うしかなかった。

「ハスミちゃん、相変わらず食べるの遅いよ」

 昼休憩に毎日流れる流行りの曲。私の知ってる曲が流れたことはほぼない。

 マイエンジェルの笑顔に一瞬、絆されそうになるが、私は自分の唇を噛み締め、怒りを込めて唐揚げに箸を突き刺す。

 向かいに座るハルちゃんの弁当箱はさっき開けられたばかりだと思っていたのに、もう閉じられてハイカラな柄の巾着袋に納められていた。

「朝からイチャイチャ……昼もイチャイチャ……くっそ、目が腐っちまう!」

「けど、河西さんと堀江君が並ぶと絵になるよね」

 頭を抱える私とは反対に、ハルちゃんは動じず、笑みを浮かべている。

 その少し離れた先では、涼やかな表スマイリーを惜しげもなく振り撒く堀江君と、どうだ見たかとでも言いたげな勝者の顔で彼にベタベタ引っ付く河西さんの姿。

 私の頭は訳の分からないことだらけで可笑しくなりそうだ。
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