アウト*サイダー
だいぶハルちゃんに渋られたものの、私の粘り勝ちで河西さん達から送られてきたメッセージを一から全て目を通せた。
執拗で、そして、幼稚なそれを私は怒りを通り越して笑いたくなった。
容姿を貶すものから始まり、返事をしないでいるとそれをしつこく非難して、果てには心ない暴言を繰り返す。
「ほんと、どうしようもない奴め」
堀江君に相手にされなくて可哀想だと思ってたけど、同情するまでもない。自分のテリトリーでしか威張れない、そうすることでしか自分のプライドを守れないのだろう。
ハルちゃんに携帯を返し、その暗い顔に優しく笑いかける。
「まだそのメッセージは消さないで。出来ればスクショして私に送ってくれる? あ、もう返事はしなくていい。見なくてもいい。一人で頑張らなくていいからね」
「……ありがとう、ハスミちゃん」
また泣きそうになるハルちゃんを抱き締める。ハルちゃんには見せられない、憤怒の顔を隠す為に。
最近、事あるごとに嘲笑われ、不甲斐なく逃げ回り、溜まりに溜まったストレス!
ハルちゃんとの仲を拗らせられた全ての元凶!
ついでに、いけ好かない腹黒野郎!
全て成敗してしんぜよう!!
「ふっふっふっ……」
「ハスミちゃん、変なこと考えてる?」
心配と、そして幾らか冷たさを込められた視線がハルちゃんから送られていた。