【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜
最初で最後の、終わりの恋 side:忍
こんな感情を私は知らない。
いや、いらないとさえ思って来た。
…違う…そんなものは欲しくないと思い込んで来たんだ。
貴方を好きになればなる程、貴方の全てを欲しいと心が喘ぐ。
ドロドロに溶け出したマグマ。
バカげていると思っていた、こんな体温。
好きなら、それでいいと…そう言ってよ。
不安な夜は数えられない。
もう、貴方の視線に焼かれ、蕩ける鼓動の海に飲み込まれたい。
しっと、シット、嫉妬…。
愛するがゆえの醜さ。
私の中の知らないワタシ。
半身が熱く、何処までも悲鳴を上げる。
今までの…私と出逢う前の、貴方にさえジレて体が熱くなる。
ねぇ…その肉を破って…滴る鮮血を私にください。
それを抱いて、私はこれから眠るから…。