身代わりの姫

3



シリルが、王宮の王太子護衛隊に入隊した。


それから、1週間。

レオに呼ばれて、レオの書斎にいた。


「おはよう、アリア」

「おはよう御座います」


何かの任務が決まったのだろうか。

間もなく18歳になる。

成年となるのだ。


「まあ、座りなさい」

促されて、ソファーに座った。


「よく、聞きなさい。

お前の任務が決まった」


少し、息を飲んだが何も言わず、話の続きを待ってレオの顔を見ていた。


「お前は………リリア様の、影武者になる」


目を見開いた。


「影武者の存在は隠される。

それについて、王からも話がある。

夜、私と王宮へ行くよ。正装に近い服で、ベールを着けなさい」


「………私が、リリア様の、影武者………?」


「決まったことだ。内密に………

アリア、自由は、無くなることもあるだろう」


少し目を伏せて、シリルを思い出した。



息を吐いて顔を上げて、レオを見た。


「分かりました」


それだけを言って、部屋へ戻った。




< 16 / 279 >

この作品をシェア

pagetop